【晓寒】 伝統は、纏う。杭州発、”晓寒”が紡ぐ失われた技術と自然の恵み

私たちが中国中から素晴らしい作り手を探す中で、思わず息をのむようなブランドと出会いました。今回は、そんな特別なブランド「杭州晓寒服饰有限公司(Hangzhou Xiaohan Clothing Co., Ltd.)」をご紹介します。

彼らの理念は「大道至簡, 淳朴自然」—素朴で、ナチュラルな自然の美しさを追求すること。2017年の設立以来、天然素材と伝統的な手染め技術を融合させ、一枚一枚に物語が宿るような衣服を生み出しています。

彼らが大切に守り、そして現代に蘇らせた、いくつかの伝統技術を覗いてみましょう。

 

「軟黄金」と呼ばれる奇跡の絹織物 — 香雲紗(こううんしゃ)

本名を「莨紗(ろうしゃ)」というこの生地は、宋の時代に起源を持つ、世界で唯一の純植物染料で染められる絹織物です。

その製法は、まさに自然との共作。芋科の植物「薯莨(しょりょう)」の汁で何度も染め上げた後、鉄分を豊富に含んだ珠江デルタの泥を塗り、夏の強い太陽の光を浴びせることで、深く美しい黒茶色へと変化します。その希少性と美しさから「軟黄金(柔らかい金)」と称され、中国の無形文化遺産にも登録されています。

 

失われ、そして蘇った幻の絞り染め — 魚子纈(ぎょしけつ)

魚の卵のように細かな点描模様が美しい「魚子纈」。米粒ほどの小さな点に、なんと4回も糸を巻きつけて固く結び、染色するという、非常に高い技術を要する絞り染めの一種です。

この技術は中国で生まれましたが、20世紀に一度失われてしまいました。しかし幸いなことに、その技術は日本に伝わり、大切に保存されていたのです。1970年代、中国は再び日本から技術者を招き、この美しい伝統を自国の地で復元させることに成功しました。日中両国の間で受け継がれてきた、まさに文化の結晶といえる技術です。

 

染めの原点、奥深き「纈(けつ)」の世界

「纈(けつ)」とは、防染(染料が染み込まないように防ぐ)印花の古い呼び名です。歴史は古く、東晋の時代まで遡ります。

  • 夾纈(きょうけち):版木で挟んで染める

  • 纐纈(こうけち):布を絞って染める(絞り染め)

  • 臈纈(ろうけち):蝋を使って防染する(ろうけつ染め)

「晓寒」は、こうした染織のルーツそのものに深く根差し、自然と調和する民族的な美しさを現代の衣服に表現しています。


「晓寒」の服は、ただ身に纏うだけのものではありません。それは、3000年以上の歴史を持つ「植物拓染」の息吹であり、華やかな「織錦緞」の伝統であり、そして失われた時を超えてきた職人たちの情熱そのものです。

一枚の布に込められた歴史と物語を感じていただけたら幸いです。

 

晓寒 シルクロングスカート ZB23106-B

晓寒 オープンカラービスコースシャツ SJS21628B

晓寒 シルクワンピース XH24092

晓寒 シルクオーガンジーブラウス XH24240

晓寒 シルクオーガンジーブラウス XH21229

晓寒 シルクVネックブラウス XH24061

晓寒 ノーカラーシルクシャツ XH21193

晓寒 シルクチャイナジャケット XH23081

晓寒 マルベリーシルクシャツ XP18131

 

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